四月三日
ちょうど一年前くらい。窯づくりが始まりました。
どこに作るか、大きさはどうしようか、高さはどうしようか。
基礎はどんなふうに施工しようか、レンガはどこに注文しようか、
はたまたレンガはいくつ必要なのか…
決める事と言ったらもう溢れる泉の様にあって、計算も段取りも得意ではない私は
旦那さんのサポートの元、そして薪窯師匠の指南書の元、構想を練って行くのでした。
窯を作ると決めた場所は前住んでいた方が子供部屋に使っていた部屋の一角。
庭に面した大きな窓を入り口にして、窯を外に作ることにしました。
計算するとびっくりする程の重量。
土地が沈んではしまわないかとゆう不安。本当にここで良いのかという不安。
心をビシッと決めるまでしばらく時間がかかりました。
基礎の施工には知り合った同世代の左官屋さん、基礎屋さんに
コンクリートの練り方、位置の出し方、鉄筋の曲げ方、配筋の組み方など
たくさんの事を教わりました。友人や家族の力も借りながら少しずつ少しずつ。
二人で2トンダンプを借りて乗り込んだ採石場は今でも忘れられない想い出です。
立地上大きな車が入ってこれない我が家は、コンクリートミキサーも一番小さい型しか入れず、みんなで猫車とバケツでリレーしてコンクリートを流し込む作業。
季節は夏に向かっていたので、もうそれは時間と体力の勝負でした。
終わった…!!
抱き合って基礎屋さんとハイタッチを交わしたいほどの連帯感。
そしてプールでぶっ続けで泳いだ様な脱力感。
まるで夏の部活動。
ここに来るまでで、もう半分以上仕上げた気分でいましたが
どうやらまだまだ窯づくりの山は登山口付近。頂上は全く見えません。
窯づくりの記憶
つづく…